2024年の秋、通称「ライトゲーム・遠投」こと「海太郎「碧」IUS-78L/LG-Entoh」が6年越しにフルモデルチェンジして登場となった。
誰でも使いやすく、オカッパリのライト系ルアーゲームならマルチに対応するというコンセプトはそのままに、ブランクス、ガイドセッティングを見直して、これまで以上に使いやすいロッドに仕上がった。
その後に追加登場となったのが8.3ftモデル。
この2つはレングスが違い、対応ルアーウエイトに若干の差があるだけで、基本的な性能はほぼ同じ(ライトゲーム・遠投Ⅱの特徴についてはこちらの記事をチェック!)。
レングスが違うといってもその差は13cmほどだ。
しかし、ロッドにおける13cm差はアングラーの使用感に大きな違いをもたらす。
ロッドに対する感触は人それぞれ、種々様々だからだ。
たとえばロッドの硬軟。
ある「L」モデルのロッドを複数のアングラーが触ったとき「Lにしては硬い」「Lらしいちょうどよさ」「Lとは思えない軟らかさ」などそれぞれで感想が違ったりする。
長さも同じ。
アングラーによって7.8ftを「長い」や「ちょうどいい」と感じたり「ちょっと短い」と感じるケースもある。
では、初代の「ライトゲーム・遠投」はなぜ7.8ftというレングスが採用されたのだろうか?
これはプロデューサー・村上晴彦氏が「誰もがルアーを楽に遠投するのに使いやすいレングスとは?」という前提でテスト、吟味して決定したものである。
実際に「使いやすい」と好評を得て、6年もの間販売され続けるロングセラーロッドとなったのだが、一方では「遠投するのに7.8ftではやっぱりちょっと物足りない」「もうちょっと長ければ」という声がISSEIに寄せられて続けてもいた。
そこでフルモデルチェンジを機に、この声に対して村上氏がアンサーとしたのが、これまで高い支持を得てきた「7.8ft」と、ユーザーからの要望をクリアして使いやすさも備えた「8.3ft」の2レングスのリリースだったのである。
7.8ft派のアングラーからすると、8.3ftはちょっと長いと感じてしまうかもしれないが、8.3ftを待ち望んでいたアングラーには朗報である。
なにより2レングスになったことで選択肢が増え、結果的に釣りの幅を広げる環境が出来上がったといえる。
では実際に村上氏は2レングスをどう使っているのか?
これにはルールなどなく、その場、そのときの環境やフィーリングに合わせて選んでいるとのこと。
「78も83も使いやすいように造ったので、こういうときにこっちとは決められないでしょ。一番いいのは使う人が “しっくりくる” ことなんですよ。その感覚で釣りをするのが楽しいんだから」
使いやすい → 楽しい → 釣りの精度が高まる → 釣果にも反映する。
13cm差には「使い手の感覚」への想いが秘められている。
あなたは「7.8ft」「8.3ft」どちらの「ライトゲーム・遠投Ⅱ」が「しっくりくる」だろうか?