日々どこかでなにかを狙って竿を出している村上氏。
それもそのはず「フィッシングトリップ」「ルアー合衆国」「釣り時季」「ザ・ヒット」「ルアーパラダイスTV」「ナチュラルトリッパー」などなどレギュラー番組を抱えているからです。
多忙を極めるこのスケジュール。
その合間に新作のテストもやらねばなりません。
ん? じゃあ、いつテストするんだ?
そう「ロケ中」に行うしかありません。
通常、新作を造るときって、秘密裏に進めていって…だと思うのですが、そんなところもオープンにしてしまえるところが村上氏らしい。
というわけで、そんな「最近の村上晴彦あるある」な1日の模様をご紹介しましょう。
この日は「フィッシングトリップ」の撮影で広島へ。

狙うはメバル。
当日は風こそ弱いものの、大寒波到来の最中で非常に寒さ厳しい中での釣りでした。
お世話になったのは広島湾で多彩な釣りを案内している遊漁船「夢丸」(中村幸春船長)。
メバルは産卵活動を終えて回復期に入ったタイミングでしたが、中村船長のお話では、今シーズンは少し時期早々で食いが渋いかも? とのこと。
その言葉通り、アタリが少なく、ピンポイントを狙わないと釣れないという厳しいものでした。

アタリが少ないので、中村船長から「最近好調なシーバス(セイゴクラスメイン)を狙ってはどうか?」との提案。
さっそくシーバス狙いへと切り替えることに。
釣り場は河口エリア。
橋脚周辺でシーバスがボイルが起こしていました。
「それ用のタックルじゃないけど、試作のベイトロッドと試作のプラグがよさそうやね。でも、デカいシーバスやったらこのタックルじゃ厳しいかも」

試作ベイトロッドはベイトフィネスを想定してハネエビベースで「造ったみた」1本だとか。
まずは『アメミノー48SR-SF』を投じ、ゆっくりリトリーブすると50cmクラスのシーバスがヒット。

「もうちょい飛距離が出るといいね」
当時はまだプロトモデルだった『アメミノー55SR-SF』を投じると、これにもすぐさまヒット。


もう少し飛距離が出せるほうがいいと、『浜ミノー』をベースにした70mmの試作シンキングペンシルを投じてみることに。

これがロッドの調子とマッチして飛距離が出る!
そしてここから怒涛の連発劇がはじまりました。

40~50cmのシーバスですが、釣ってはリリースの繰り返しでなんと42匹の大釣り!
「試作のベイトロッドと試作のシンペンがハマったわ。ロッドは正直どうかな? と思ってたけど、こんだけハマるとちょっと見方が変わるよね」

ロッドとルアーがマッチしたこともあるが、手返しよく釣っていった村上氏の手腕もお見事でした。
ミスキャストせず、1キャストでヒットに持ち込み、ファイトもスピーディ。
そしてフックを素早くはずすためにカエシを折っておくなどの工夫も怠っていなかった。
「寒かったけど、今夜はめっちゃおもろかったわ」
これだけ爆釣すると、「どうかな?」と思ったベイトロッドが新しいモノとして形になっていくかもしれない。
こんなふうに日々のロケでテストが繰り返されています。
それによる問題がひとつ。
既製品のアピールの場が減ってしまうため、営業チームがヒヤヒヤしてしまうことです(笑)。