手軽なオフショアジギングとして人気の「SLJ(スーパーライトジギング)」。
本格的なジギングに比べてライトなタックルに、30〜60gのメタルジグを操り、イサキ、マダイ、中型までの青物、根魚などを狙っていくスタイルである。
海太郎ブランドにもSLJ対応ロッドが3種類ラインナップされている。
『海太郎 「碧」 IUS-70LS/LG-Offshore2』
『海太郎 「碧」 IUC-70LS/LG-Offshore2』
『海太郎 ネコシャフト IU×BT-73ULS』
この3種のうち、『海太郎 ネコシャフト IU×BT-73ULS』は、beat(現&beat)とISEEIのコラボレーションロッドとして「碧」シリーズとは一線を画す仕様となっている。
碧シリーズの根幹にあるのは「誰でも楽しく使いやすいこと」だが、ネコシャフトは「繊細かつ多彩にジグを操ること」を突き詰めて仕上げられている。
つまり使い手を選ばないのが「碧」。特徴を理解したうえで使うことで性能を発揮できるように仕上げられたのが「ネコシャフト」というわけだ。
現物を見てみるとその理由に納得させられる。
ティップは高弾性のカーボンソリッド。SLJ専用とはいえ、およそジギングロッドとは思えぬ細さだ。
これがリーリングしたときにジグの挙動を鮮明に感じさせてくれるだけでなく、ジグを跳ね上げたあとのフォール時にごくわずかにテンションをかけておけば魚が絡みつくような違和感のようなアタリをとらえることができる。
この繊細なティップをチューブラーのブランクスにきれいにつなぎ、ティップからバットにかけてスムーズにベンディングするテーパーデザイン。
このベンディングによるパワーをフルに発揮できるよう、村上晴彦氏独自のガイドセッティングを採用。
これにより繊細さと強靭さを合わせ持たせることができた。
スムーズなベンディングはシャクリに関しては水中のジグに艶かしい生命感を与えるだけでなく、ジグそのものポテンシャルを最大限に引き出してくれる。
一方で魚がヒットした場合は引きに追従して曲がり込んで粘る。
このおかげで魚の口切れ・身切れを防いでくれる。
ティップ、ベリー、バットにそれぞれに仕事をさせることもできるし、すべてを合わせた使い方もできる。
繊細に多彩に。
まさにセンシティブモデルである。
「この1本は、たぶん僕だけじゃできなかった。大貝さんの経験値と感性があってこそできたんですよ」
実は、開発当初のネコシャフトは全体的にもっとしなやかな調子の設計だったという。
「それも十分よかったんですけど、大貝さんが『これはどうだ?』と試作してくれたのが『ネコシャフト IU×BT-73ULS』の原型になったロッドだったんです。若干バットに硬さが加えられていました。大貝さんの感覚と経験から、このほうが使いやすいし、80gのジグも扱いやすい結論に至ったんでしょうね。実際に使ってみると、それまでより幅が広がった感がありました」
あとはこのブランクスに村上氏がガイドをセッティングを施して最終調整を行って完成に至ったというわけだ。
ロッド作りは、設計、素材、技術が噛み合ってはじめて形となるが、そこにアングラーの感性と経験値がくわわることで唯一無二のものとなる。
『海太郎 ネコシャフト IU×BT-73ULS』
これはまさにそれを体現したロッドといえるだろう。