【気になることはやってみる】
これが身上の村上氏。
今回は多忙な合間を縫って、以前から気になっていたことに挑戦。
それは鯛サビキ船に乗せてもらい、『海太郎 海太郎特製バチコン仕掛』&『サビキ的』でマダイを狙うこと。
「前からやってみたいと思ってたから行けるってだけでテンションが上がるわ」

お世話になったのは岡山県玉野市の宇野港を拠点とする「瀬戸内フィッシングツアーズ」さん。
船長の河合さんは、長年この海域と向き合ってきたベテラン船長です。
ただ…。
河合さん「ちょっと前まで釣れていたのに、最近ピタっと食いが落ちたんですよ。今年はちょっと厳しい感じですね。今日も時合をつかんで釣ることになるんですが、そのタイミングは短いでしょうね」
マダイ釣りのシーズン序盤ということも重なって釣果にかなりムラがあるようです。
ちなみに、シーズン初期はマダイの食べているエサが小さいので「鯛サビキ」「チョクリ」(古くから高い実績を誇るマダイ釣法)が有効なのだとか。
さて、『海太郎 海太郎特製バチコン仕掛』&『サビキ的』でどこまでマダイに迫れるでしょうか?
【高仕掛けで勝負!】
水深は30〜50mのエリアを釣っていくことに。
船長の読みでは10時過ぎの潮で時合を迎えるだろうとのこと。
ということは2時間はお試しタイム。
村上氏が準備したタックルは3セット。



①試作のバチコン用ロッド(PE1号 リーダー3号)
②村上テイストを盛り込んだ試作『サテル』(PE0.8号 リーダー3号)
③10ft超えの大貝俊也氏作のサビキ用ロッド(PE0.8号 リーダー3号)
①はともかく、②や③は見たこともありません。こんなロッドいつの間に…。
「3本鈎で全長6mくらいの高仕掛け(全長が長い仕掛け)でワームをいろいろ試してみようかなと」
なぜ3本鈎なのか?
サビキ、チョクリのように10本ジグヘッドをセットするという方法もあるのでは?
「10本のワームローテは時間食いまくるやろ」(笑)
サビキ(魚皮)やチョクリ(ビニール)は鈎に固定されていますもんね、納得。
逆に3本でどう釣るかやりがいがある! といったところ。
ちなみに3本鈎仕掛けの組み立ては下記。
『海太郎 海太郎特製バチコン仕掛』の「TYPE0」(全長120cm)を3連結。

連結するときは上下のスナップ、スイベルをカットして幹糸同士を直結。
さらに3mの下糸をセット。
これで全長が6m超えになるというわけ。

オモリは『ヌケガケロケット』40号。
ワームは『サビキ的』2インチ、2.5インチをメインに『スパテラ』も用意
「カラーはいろいろ試してみるしかないよね」
では、いってみよう!
【釣れない時間=ヒマ ではない】
8時過ぎに釣り開始。
船長から水深が40m前後、魚の反応がボトムから7m上とアナウンスされます。
計算上、ボトムにシンカーを着ければ3つのワームは魚のレンジ内を漂うことになります。
しかし、それだけで釣れるほど甘い状況ではありません。
村上氏はシンカー着底後から仕掛けをゆっくりと巻き上げます。
「巻き上げ」
これが鯛サビキ、チョクリでも基本となる釣り方だとか。
仕掛けは違えどひとまずそれにならってみることに。
ただただゆっくりとリールのハンドルを巻き続ける村上氏の姿はなんだか新鮮。
あとはマダイに食い気があるかどうか、巻き上げるスピードやワームのカラーや動き、サイズがお気に召すかどうかです。
しかし食い気がないようで、チョクリを使っている同船者さんにもアタリがありません。
やはり時合待ちのようです。
この釣れない時間、決して無駄ではなく、村上氏にとっては釣りのリズムを組み立て、海中をイメージするウォーミングアップタイム。
特にはじめての釣り、はじめての場所ではできるだけ欲しい時間でもあるのです。
というわけで身体を釣り、フィールドへなじませながら来るべき時合に備えます。
【サビキ的が誘い食わせる!】
ロッドもローテーションしながら時間は10時過ぎ。
河合さん「底べったりだったマダイのレンジが少し広くなりましたね。食い気が上がったかも」
河合船長のアナウンスに期待が高まります。
するとチョクリのお客さんにこの日初ヒット。
「釣ってもらえるとマダイの食い気があるって確信できるよね」
村上氏は『サビキ的』を2インチから2.5インチにして、カラーを「ソリッドレッド」から「オキアミグロー」にチェンジ。
これでゆっくり巻き上げながら潮流にサビキ的をたなびかせていると、ロッドのティップが小気味よい振動とともに海面へ引き込まれます。
「きたー!」

上がってきたの小ぶりながらも本命マダイ! しっかりと『サビキ的』を食い込んでいました。

続けていけるか!?
【新しいゲームの可能性】
同じパターン、同じワームで続けてマダイヒット。

ここで畳み掛けると数を上乗せできるのですが、そうならないのが村上氏。
「こっちはどうかな?」
仕掛けにセットされている『レベリングヘッド太軸金鈎』をエサ釣りで使われる伊勢尼系の鈎に変更。
釣れるときにためす、お試しタイムがはじまってしまいました(笑)
しかし『サビキ的』の動きが安定しないのか、これにはヒットなし。
そこで今度はジグヘッドに戻すのですが、ただ戻すのはおもしろくないと、海峡バチコン用に造った『パワーレベリングヘッド』に。
ワームも『サビキ的』2.5インチですが、カラーはガラっと変えて「ケイムラレインボー」。
さらにハリスを35cmから15cmほどに少し短くアレンジ。
これで少しシャクり上げのアクションを入れるとヒット!

「いろいろ細かく試せるからこういう釣りっておもろいよね」
このあともいろいろ”お試し”をしてしまったので結果としてはアタリは遠くなりましたが、納得の3匹をキャッチして、この日の釣りを終えたのでした。

河合船長「はじめてのフィールドでこんな食いの渋い日に、自分流でマダイにジリジリ近づいていく姿はさすがでした。生で見せてもらえてこちらも楽しかったです」
たしかにスタッフもハラハラしながらもワクワクしてしまいました。
”やってみた” 企画は今後も継続していきたいですね!(スケジュール調整が大変ですが(笑))