村上晴彦の釣りには謎が多い。
釣れなくなった場面でも不思議と魚を引き出してしまう。
本人は”まぐれ”や”たまたま”と言ってしまうのだが、たいていその前には”なんとなく”の選択があることが多い。
ここでは今夏のロックフィッシュゲームで見た”なんとなく”が生み出した現象をご紹介しよう。
今シーズンは愛媛県愛南町、山形県鶴岡市の沖磯のロックフィッシュに挑んだ。
まずは愛媛県愛南町。
この日持参したのは『根魚玉』と『スイミング根魚玉』に『ジャコバグ』『カタクチワーム』『キャラメルシャッド』『ジャコバグパワー』『根魚蟲』と盤石の布陣。
そして開始から『スイミング根魚玉』と『カタクチワーム』でオオモンハタ、『根魚玉』と『キャラメルシャッド』でアカハタを連発。



魚影の濃さもあるが、釣り場と村上の波長がピタリと合っていると感じるような連発劇だった。
しかし時間が経つにつれ、リグやワームをローテしてもアタリが得られなくなった。
そんなタイミングで村上は『根魚玉』にわずかだが持参していたバスフィッシング用の『ダニー』をセットして投じた。
即座にアタリをとらえロッドを曲げる。
上がってきたのは良型のアカハタ。


”なぜここで『ダニー』を?”と問うてもいつものように”なんとなく”と、とくに理由はなかった。
この”なんとなく”による『ダニー』の活躍劇は続く山形県鶴岡市の沖磯でも見ることができた。


アタリが非常に少ないなか、良型のキジハタを引き出したのだがワームは『ダニー』だったのだ。

見ている側にはなんとも理解不能な結果なのだが、村上の”なんとなく”には我々には感じることができない独自の感覚があるのかもしれない。
そしてそこから得た結果が新たな”モノ”の誕生へつながることも多い。
ただ、『ダニー』がロックフィッシュにも効くという結果は事実。
ロックフィッシュゲームを楽しむアングラーは釣れないときに『ダニー』を投じてみてはいかがだろうか?
もしかしたら村上が感じている”なんとなく”になんとなく近づけるかもしれない。