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短竿嫌いの村上晴彦謹製 「ショートロッド」ならぬ「ミニチュアロッド」【海太郎 碧 5ft.Multi】

自他ともに認める、長竿、多点ガイド好きの村上氏が5ftのショートロッドを作った。

【海太郎 碧 5ft.Multi】である。

21:30あたりから村上氏による「5ft.Multi」の解説が視聴できます

「いや、ショートロッドちゃうんです。ミニチュアロッドなんですよ」

ん? ショートロッドとミニチュアロッドではなにがどう違うのだろうか?

村上氏はこう解説してくれた。

「ショートロッド」

短いレングスであることを前提に作られたロッド。ブランクスの調子もガイドセッティングもそれに合わせたもので設計、仕上げていく。

「ミニチュアロッド」

ベースとなるロッドを縮尺して作るロッド。ブランクスの調子もガイドセッティングもベースとなるロッドをもとにバランどりしながら仕上げていく。

根本的に考え方が違うので、「5ftロッドを作る」にしても結果出来上がったものはまったく違うものになるというわけだ。

たしかに「5ft.Multi」はレングスに対してガイドがとても多い。

これは村上氏ならではの仕様。

また、グリップ周りの長さのバランスやカラーリング含め「碧(ハネエビ2やレベリング2)」を縮尺させたものだと一目で分かる。

5ftにしてこのガイド数。グリップの長さまできれいに縮尺。「見た目も楽しそうでないとね」と村上氏
通称「碧ハネエビ2」。海太郎SWライトゲームの軸になるロッド

これはたしかにミニチュアロッドだ。

「でも、もともとはまったく別な、それこそお遊び用のショートロッドを作ろうと思ってたんですよ」

当初は、短くて扱いやすく、小さな魚でも大きく曲がって楽しめる「お遊びロッド=雑魚ingロッド」を思い描いていたという。

いわゆる「やわやわロッド」である。

お遊びすぎて、製品化なんて考えてすらなかったそうな。

「で、試作ブランクスがあがってきたんですけど、これが思った以上に張りがあったんですよ」

本来なら作り直しなのだが、このブランクスの調子が村上氏にヒラメキを与えた。

「これをベースに碧のミニチュアロッドを作ったらおもしろそう」

「ええ曲がりでしょ」と見せてくれた試作段階のもの。カラーもガイドもひとまずの形。ショートロッドではなくミニチュアロッド作りがスタートしていた

さっそく試作して使ってみるとなかなかの使用感。

遊びがてら、テストがてらショアでもオフショアでもライトゲームのときに使ってみると、長竿で得られる、飛距離やラインさばきなどのメリットは削られはするものの、楽しく遊べる1本であることがわかった。

「試作から1年くらい遊びましたかね」

ボートで湾岸エリアのバチコンアジング。「レンジ移動式バチコン仕掛」との組み合わせで終始アジが入れ食いだった
アタリもとりやすく、アワセも決まりやすい。このころにはカラーやデザインが碧っぽくなっている

試作品だが、名前がないのも…というわけで、いろいろ使えるから「マルチ」とひとまず名付けられていた。

毎回のようにライトゲームのロケで登場させて遊んでいたので、ユーザーの目に触れる機会も多くなる。

愛知県の日間賀島のオカッパリゲームロケ。5ft.Mulutiとレンジ移動式バチコン仕掛はここでも入れ食いに

次第に「販売しないのか?」とのご意見をいただくように。

営業を担うISSEIのマーケティング部からも「販売すべきです」と村上氏の尻が叩かれた。

村上氏としては、遊べる、楽しいとはいえ、万人受けするロッドではないから一般販売は難しいのでは? という判断で「壱乃日」の通販限定(ISSEIオンラインショップ)での販売へと踏み切ることに。

たしかに村上氏が「マルチ」と呼んでいるように、「5ft.Multi」はライトゲーム用ロッドではなく、いろんな釣りに使える幅広さを持つ。

ルアーはもちろん、エサ釣りに使ってもOKだし、船でも使える場面がある。

遊びの中からポンと生まれた「5ft.Multi」

どう使うか、どう楽しむかは手にしたアングラーが自由に選んで遊んでほしい。

船長に許可をもらって明石のタチウオジギングで使用。「100gのジグがシャクれたわ♪」。使い方はあなた次第!
このロッドの使い方の一例です
8:00あたりから5ft.Multiの登場です
20:20あたりから良型アコウヒット。5ft.Multiのパワーを確認できます
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