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繊細な変化をつけてヒットにつなげる! 村田勇のSLJ in 玄界灘

初夏からシーズンインするのが「SLJ」(スーパーライトジギング)。

この釣りは30〜60gまでのメタルジグを用い、イサキをメインに青物や根魚、つまり釣れる魚はなんでも狙おうというスタイル。

ジグのアクションもビシビシロッドをあおらなくていいのでジギングデビューにもおすすめ。

今回はそんなSLJで釣果を上げるコツを、ISSEIフィールドスタッフ・村田勇氏の釣りから学ぼう。

【村田 勇】ISSEIフィールドスタッフ。長崎県平戸で遊漁船「BG hirado」の船長を務める。「釣ることも釣らせることもスペシャリスト」と村上晴彦氏が絶大な信頼を寄せるスゴ腕船長

この日は福岡県福岡市の箱崎漁港から「エル・クルーズ」(岩室船長)で玄界灘へ。

岩室船長の話では、釣行日までにイサキは釣れているが、日によってイージーなときとテクニカルなときがあるという。

イージーだとうれしいが、テクニカルだったとしてもそれを攻略する楽しさがある。

村田氏は2種類のタックルを用意

ロッド:海太郎 「碧」IUS-70LS/LG-Offshore2(文中:オフショア2)
リール:スピニングリール 2500
ライン:PEライン 0.8号
リーダー:フロロカーボン 4号

ロッド:海太郎ネコシャフトIU×BT-73ULS(文中:ネコシャフト)
リール:スピニングリール 3000
ライン:PEライン 0.8号
リーダー:フロロカーボン 4号

2本のロッドの使い分けはどのようにするのだろうか?

「ジグを滑らかに操って、魚を掛けて思い切りロッドを曲げて楽しむなら『オフショア2』です。曲がり切ったところからの粘り強さはバレる気がしない安心感を覚えますね。基本はこの1本でも十分SLJが楽しめます。でも、時にはジグをすごく繊細に操らないといけない、小さなアタリを拾わないといけない場面があるんです。そういったケースでは『ネコシャフトを使います」

まずは「オフショア2」から使っていく。

メタルジグはもちろん『ネコメタル』と『ネコメタルTG』。

イサキ狙いのSLJではもはや定番ともいえる『ネコメタル』と『ネコメタルTG』。TGは通販限定製品なので、欲しい方はこまめに「ISSEIオンラインショップ」をチェックすべし

1投目は『ネコメタル』30g。カラーは「#018 金銀パープル」。これをトップヘビーセティングにする。

フックは『クワレルアシスト』 の#3をフロントに1本、リアに2本の「イサキセッティング」。

フロント1本、リア2本のセッティング。これが「イサキセッティング」だ

リアフックを2本にすると、水抵抗が増えるので、ジグの動きを抑えることができ、フォール時はジグが横を向きやすくなってヒラヒラとフォールする時間を長くできる。

「イサキはキビキビした動きよりは滑らかな動きとフォールに反応しやすいんですよ」

村田氏はそう教えてくれた。

またイサキの口にリアのフック2本が入ったときに2本が掛かるし、フロントフックを食った場合は、リアフック2本がイサキのボディのどこかに掛かってくれるのでバレにくくなるという。

リアフックが2本かかった状態。これならそうそうバレない

ちなみにこのセッティングは村上晴彦氏に教わったそうだ。

準備が整い、釣り開始。

村田氏はジグを投入。

ロッドを下げ気味にしてリールをオープンベールにし、ラインを放出しながらジグをできるだけフリーの状態でフォールさせる。

しかし沈めていくにつれ、だんだんジグにはラインの抵抗が加わるようになってフォールにブレーキがかかりはじめる。

そこで村田氏はジグをある程度沈めたところでロッドをあおってラインを一気に送り出し、ジグにかかっているラインの抵抗を軽減させる。

こうすることでジグをできるだけフリーに近い状態で沈め続けることができる。

ナチュラルなフォールでボトムまで沈めてイサキに違和感を抱かせないようにするというわけだ。

逆にフォール中に少しだけロッドをあおってラインテンションを加えることでジグのフォール姿勢に変化をつけるケースもある。

できるだけナチュラルなフォール、ちょっとした変化、どちらもイサキを狙ううえでは大切とのこと。

フォールさせながら村田氏は海中に引き込まれていくラインのスピードを注視する。

「イサキはフォール中のバイトが多いんです。ジグの重さで引き込まれていくラインのスピードを覚えておいて、そのスピードが速くなったとか、止まったときはイサキのバイトであることが多いんです」

とにかくラインが引き込まれるスピードに違和感を覚えたらアワせてみるべきと村田氏。

ジグが着底すると、村田氏はショートピッチで柔らかくジャーク。

滑らかなジグのアクションで誘っていくとロッドが曲がった。

このシャクりでOKなのがSLJのいいところ。ビギナーもはじめやすい

「よしっ、きた!」

「オフショア2」がきれいな弧を描く

上がってきたのはメインターゲットのイサキだった。

ヒットしたのは『ネコメタル』30g。トップヘビーセッティングでフックセッティングもそのままだが、カラーは「#005 イワシ」に替えていた。

#005 イワシ。2024年のヒットカラーと村田氏

「この『#005 イワシ』は今年(2024年)地元の平戸周辺でもイサキの反応がよくて、マイブームなんですよ」

同じアクションパターンで続けてヒット。

根に潜られたがうまく引き出してアコウをキャッチ。その後も滑らかなアクションでヒットを継続する。

『ネコメタル』30g の「#005イワシ」がよく効いている。福岡の沖でもイワシはブームなのかもしれない。

このまま釣っていてもヒットは継続できそうだが、村田氏は光量の変化に合わせてジグのカラーを変える、新たな反応を引き出すウエイトを探すべく、ジグを使い分けていく。

場所が変わったところで『ネコメタルTG』50gに変更。タングステンならではの高比重を活かしてフォールのスピードを速めてみる。

フックセッティングは同じ。リアに2本だとジグが横を向きやすくなり、ひらひらとしたフォールがさせやすい。

このときロッドを「ネコシャフト」へ替えた。ロッドが変わればジャーク時のジグの動きも変わる。そういった変化を試してみるのだ。

これに小型の青物がヒット。ならば『ネコメタル』30gはどうか? これにも小型の青物がヒットする。

場所を変えて今度は小さな魚礁の上に船を通す。

ひと流しでできるだけ回数多く、魚礁の横にジグを通したいので『ネコメタルTG』50gの「#038 メッキエッジグロー」をセレクト。ロッドは「オフショア2」に戻していた。

とにかくいろいろ試す。もっともよい反応はどれかを追求するのだ
このサイズが連発した。小型のカンパチだが、エリアによって「シオ」「ネリゴ」など呼び名が変わる

速いフォールと滑らかなアクション。これにネリゴがヒット。

その後もジグをローテーションしながらイサキ、小型の青物、根魚を追加して多魚種、大漁で納竿となった。

今回の村田氏の好釣果は常にジグのウエイト、カラー、フォールスピードにジャークの強弱などに変化をつけ続けていたことにある。

メインとなったのは『ネコメタル』30gと『ネコメタルTG』50g。シルエットの大きさはほぼ同じ。フォールスピードに違いがある。その差を使い分ける

ひとつのパターンがドハマりすることもあれば、いろいろ手を変えないといけない場合もある。

今回は後者だったわけだが、その状況判断を素早くできたのは村田氏の経験値のなせる業だろう。

記事を読んだ後に動画を視聴すると、村田氏の動きの理由がよくわかります!
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