ボートアジング、ディープアジング、バチコンといった言葉が生まれる前から、村上氏はボートに乗ってさまざまなスタイルでアジを釣っていた。
釣るのも楽しいが、釣ったアジを味わいたいのだ。
常々「日本全国のアジを釣って食べ比べしたい」と言っているほどである。
こんな考えがあるので、旨いアジのためなら遠征も厭わない。
というわけで今回は広島県呉市仁方港を拠点とする「海猫丸(うみねこまる)」さんに乗船することに。
「昔ここの海域のアジを釣って食べたことがあるんやけど、ヤバいヤツやで」
そう、船長の中さんが案内してくれる安芸灘という海域で釣れるアジは、小さくとも丸々している良アジ。
地元では「太豆アジ」なんて呼ばれ方もされている。とても旨いアジなのである。
場所次第では30cmオーバーの良型アジも釣れるという…。
「これは釣らんと(食わんと)アカンやろ」
さっそく出かけることにし、2023年の10月中旬に釣行となった。
船長の中さんからは「港から5秒くらいの近場で小さいのを釣って、そのあとで沖に良型を狙いに行きましょう」との説明があった。
釣り場が近いと「5秒」なんて言い方をするものだが、本当に5秒で釣り場に着いた。船長マジですか?
(※:仁方湾内は、船では地元の組合員しか釣りできないそうです。中船長は組合員なのです)
村上氏はさっそく『レンジ移動式バチコン仕掛』に『バルキースパテラ』『サビキ的』『スパテラ』をローテしてアジを釣っていく。
続々ヒットするアジは15cmクラスの豆アジだが、たしかに太い!
「これはエエアジやな」
ひとしきりアジを釣り、潮どきを見計らって沖へ。そこは激流釣り場だった。
初めての難関フィールドに少々手こずった村上氏だったが、自作胴突き仕掛けと『浜キャロロケット』5号と『スパテラ』1.5インチでアジャストして、25cmオーバーの食べごろアジをキャッチ。
そのあと、シーバスが表層をウロウロしているので、辛抱たまらんと、村上氏は『レベリングヘッド』0.3gと『サビキ的』のジグヘッドリグを表層に漂わせるようにリトリーブするとヒット。シーバスと疑わなかった村上氏だが、上がってきたのはなんとデカアジ!
このアジがとんでもないコンディション。
村上氏をして「ヤバい!」と言わしめるほどだった。
船長の話では、春ごろは40cmクラスのアジが出ていたという。夏が来て、食いが落ちてもこのサイズが狙える、しかもこんなコンディションのアジである。村上氏の脳内リストに安芸灘アジが再認識された夜だった。
取材協力:海猫丸(中船長)
太豆アジを釣ったメインタックル
ロッド:海太郎 「碧」IUS-72ULS-HN2「ハネエビ」
リール:イグジスト 2000
ライン:PE0.2号
リーダー:1.5号
仕掛け:海太郎 レンジ移動式バチコン仕掛け 10-1.5
シンカー:海太郎 ヌケガケロケット 10号
ワーム:海太郎 サビキ的、バルキースパテラ1.8インチなど
良型アジを仕留めたタックル
ロッド:海太郎 「碧」IUS-72ULS-HN2「ハネエビ」
リール:イグジスト 2000
ライン:PE0.2号
リーダー:1.5号
仕掛け:自作バチコン仕掛け(幹糸2号、ハリス1.75号)
シンカー:issei✖️ZAPPU 浜キャロロケット 5号
ワーム:海太郎 スパテラ 1.5インチ