数年前の広島でのアジングで村上氏が見せてくれたワームのサイズとカラーの大切さがわかるエピソードをご紹介しよう。
その日は常夜灯の明かりが際立った波止で釣りを開始した。
海面を明かりが照らしているが、前日に雨が降っており濁り気味だった。
強い明かりといえど、どの深さまで届いているかはなんともつかみにくい。
村上氏は『レベリングヘッド』1.5gに『スパテラ』2インチの「アジンググリーン」をセットしてキャスト。まずはボトムまでフォールと思いきや、さほど沈んでないレンジでアジをヒットさせた。
「お〜、おった。まあまあのアジやね〜」
サイズは20㎝ほど。同サイズが連続で釣れる! これは今回の釣果はすごいことになる! そう思ったのも束の間、4匹追加したところでアタリがピタッと止まってしまった。
村上氏はレンジを広く探り、ルアーアクションもいろいろ試してみるが、アジのアタリは散発的。
「もっとアジがおる感じはするんやけどね。なんかが足りんのやろうな〜」
アジの気配は感じるそうな。
さて、足りない「なんか」は何だろう?
村上氏はワームのカラーをローテーション。すると「うまシロエビ」にアタリが集中。しかもほかのカラーではアタリが遠のいてしまうと不思議な状況。
グロー系がいいのか? そこでカラーはそのままに『スパテラ』を2.5インチにサイズアップ。グローの発光、2.5インチの水押しの強さでアジに見つけてもらいやすくしてみたが、アタリは遠のいたまま。
「逆か?」
村上氏はジグヘッドを『レベリングヘッド 小鈎』1.25gに替えて、『スパテラ』はカラーはそのまま1.5インチに小さくしてみた。するとアタリが復活!
「アジの群れが回ってきただけかもね」
検証のため『レベリングヘッド』1.5gと『スパテラ』2.5インチに元に戻すとアタリが遠のく。
「濁ってても小さいほうがよく食うんやな。エサが小さいんやろうか? 沈むスピードの違いかな?」
結果的に『レベリングヘッド 小鈎』1.25g『スパテラ』を2インチがもっともアタリが多いことがわかった。そして一番釣れたカラーは「うまシロエビ」。アタリも明確でこのコンビだとカーブフォール中にアジが引ったくっていくのだ。村上氏の読みどおり、アジはたくさんいたというわけ。
ジグヘッドの重さ、フックサイズ、ワームのサイズとカラーの組み合わせを試すことの大切さを学んだ夜となった。