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必要が進化を促す 『海太郎 碧 ハネエビ』進化歴

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海太郎のライトゲームロッドの代表的アイテム。

『海太郎 碧 IUS-72ULS-HN2「ハネエビ」』

初代は2016年に登場。その後進化しながら写真の現行モデルがリリースされたのは2020年

製品名に冠してあるように、村上氏考案のワイドダートアクションでさまざまな魚を狙える「ハネエビ」を快適に操って魚を掛けて楽しむことを基本コンセプトに生み出されたロッドである。

7:3調子のシャキッとした操作性に、食い込みがよく、アタリを目でも感じとりやすい繊細なソリッドティップを搭載。7gまでのルアーを軽快にキャスト、操作できるバットパワーは小型から良型まで、アジやメバルとのファイトを存分に楽しむことができ、たまにヒットしてくる40cmを超えるチヌやマダイ、60cm級のシーバスともスムーズにファイトすることができる。

小型のメバルから30cmに迫るメバルもなんなく引き上げるパワー
ライトゲームではヒットすることも多いシーバスにも対応する粘り調子

これらの性能のおかげで『ハネエビ』の名を冠しながらも、ジグヘッドリグはもちろん、メタルジグ、メタルバイブ、プラグにキャロライナリグ、フロートリグと幅広い釣りを1本でこなせる高い汎用性も併せ持っている。

通称『ハネエビ2』と呼ばれているが、現行モデルは実は3代目。

今記事ではハネエビロッドの登場から進化について紹介しよう。

「誰もが使いやすく楽しめる」ISSEI初のSWライトゲームロッド

ハネエビロッドの初代『海太郎 碧 IUS-70ULS-HN「ハネエビ」』が登場したのは2016年のこと。

初代ハネエビと村上氏。ブラックを基調としたカラーデザイン。なつかしいと感じるユーザーも多いかも

全長7ft、ブラックを基調としたブランクスデザイン。ガイドセッティングも現行モデルと異なっており、見比べるだけでもかなり印象が違う。

真ん中が初代ハネエビロッド。右は初代レベリングロッド。ちなみに左はダイワ『ハートランド701ULF/RS-ST16 【冴掛 Midge direction ST】』

「1本である程度なんでもこなせる、少々大きな魚が来ても対応できる。尖ったところのない優等生って感じでしょうか」

村上氏は初代ハネエビロッドをそう評する。

バスにせよ、海にせよ、村上氏が手掛けるロッドは「使い手を選ばない」タイプと「性能を理解して使い込む」タイプの2つに分かれるのだが、『ハネエビ』は前者。そしてISSEI初のライトゲームロッドでもあったので、誰でも使いやすいと感じられることを念頭に徹底して造り込まれた。

その使いやすさ、汎用性の高さから、初代のハネエビロッドは登場から10年近く経った現在でも愛用し続けているアングラーも多い銘竿となったが、村上氏はこの初代を使い込んでいく中でハネエビロッドの進化の道筋が見えてきていた。

理想を追求してモデルチェンジ

2年後の2018年にハネエビロッドがモデルチェンジすることに。製品名は『海太郎 碧 IUS-72ULS-HN「ハネエビ」』。基本コンセプトはそのままに全長を7.2 ftに、カラーリングはシルバーを基調としたものへ変更された。

モデルチェンジしたハネエビロッド。レングスが若干長くなり、カラーリングを一新

「理想の形が見えたので、ハネエビのブランクスをイチから見直して、全長を長めに設定して、より汎用性を高めるほうへ進化させたんです」

わずか5cm長くなるだけでロッドの操作性や調子、使い勝手は大きく異なる。初代に比べてロングキャストが可能になり、ルアーを操作するときも長さを活かしてティップ、ベリー、バットの各部をより幅広く使って、アクションに強弱が付けられるようになった。

つまり村上氏は初代のハネエビロッドを使い込んだところから見えた改良点を追加していったわけだ。

これはテスト段階の2代目ハネエビ(『海太郎 碧 IUS-72ULS-HN「ハネエビ」』)。村上氏は多忙なのでロケ=テストというケースも多い

ロッドがリニューアルされるとき、基本性能のアップが欠かせないが、シルバーのカラーリング変更はなぜだったのだろうか?

「メバルもアジも夜釣りが多いでしょ。黒いロッドだと明かりを照らしても曲がりが分かりにくいし、伝わりにくいじゃないですか。釣りはロッドが大きく曲がっているのを見て楽しみたいという部分もあるし、魚の大きさもわかりやすい。自分が見やすいなら見ている人も楽しめるのでシルバーに変更したんです。それとティップから4つの目までのガイドスレッドの下に蛍光オレンジを配色してわずかな明かりでも曲がりや変化が分かるようにしました」

初代ハネエビでのナイトゲーム。強いストロボを当ててもロッドの曲がりがわかりにくかった
シルバーに変えて自分も周りも見えやすく。「楽しさの共感」という村上氏のモノ造りの理念のひとつが詰め込まれたカラーなのだ
ナイトゲームでティップの動きがしっかりわかる蛍光オレンジを採用

使い手も見ている人もわかりやすく、楽しめるように仕上げたのである。

文句のつけようがない1本へ

それから2年、またリニューアルをかけることに。

「このころ『碧 レベリング』のモデルチェンジのテストしていて、プロトロッドを触っているうちにハネエビもまだ改良できるところがあると気づいて手をくわえることにしました」

ブランクスはそのままで変更したのはガイドセッティングとロッドの一部カラーリング。

ガイド数を増やし、ソリッドティップの繋ぎ目からトップまではガイド口径が小さいものへ変更した。

ガイド数が増えたことにより、ブランクスのパワーをこれまで以上に引き出せるようになったのと、ガイド口径を小型化させたことでティップが軽くなり、シャープな振り抜け感と振り抜いたあとの反動によるたわみをすばやく抑えられるようになった。

現行モデル。ショアだけでなく、オフショアでもアジング、メバリングには欠かせない1本

「ガイドが増えて小型化すると、ライン抵抗が少し増すので飛距離は旧モデルよりもわずかに落ちますが、軽いものを投げやすくなって、ティップでのルアーの操作感の快適さが大きく向上しました。それとブランクスのパワーを旧モデル以上に引き出せるので魚とのファイトも優位に進めることができます」

カラー変更は、グリップ周りのアルマイトリングやブランクスの飾り巻き、ガイドスレッドをブルーで統一。

一眼で分かるようにレッドとブルーで区別。「僕が一番間違いそうなので色を変えました」(笑)。「碧」の文字デザインもこのモデルから変更されている

「これはレベリング2をリニューアルするときにアルマイトリングやガイドスレッドをレッドにしたので、ハネエビと混同せずにすぐ判別できるようブルーに統一しました」

こうして2020年に登場となったのが現行モデルでもある『海太郎 碧 IUS-72ULS-HN2「ハネエビ」』というわけだ。

村上氏いわく「文句の付けようがない」1本だが、登場から3年以上が経った現在、もしかしたら村上氏の脳内には新しいハネエビロッドの姿が描けているのかもしれない。

初代のハネエビとレベリングについて村上氏が実釣&解説!
現行モデルのハネエビ2のインプレッション
なつかしいロッドも登場! 碧シリーズがシルバーになったきっかけが語られています。
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