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ルアーセレクト&アクションを駆使せよ! ボートヒラメ研究会 in 香川県

毎年冬にシーズンを迎える香川県沖のボートヒラメ。

村上氏は年に1回ペースでこの釣りに挑戦しており、この日は5回目。

まだまだ謎が多くつかみきれていないことも多いという。

「経験値がもっと必要なんやけど1人で釣ってもたいした経験にはならない。で、今回は心強い人と一緒に研究会というわけ」

心強い同行者。

それは、いつもヒラメやマゴチなどをガイドしてもらっているルアー船「Magic」船長の津馬氏である。

津馬氏は香川県三豊市詫間町から出船する「Magic」の船長。地元の海でルアーターゲットを開拓しながら、釣り方研究にも余念がないアングラーでもある。今回は村上氏たっての希望で同行してもらった

津馬氏がセッティングしてくれたのは、丸亀市丸亀港から出船の「SEA★STORY」さん。

3艇体制で季節に応じたさまざまな釣りを案内してくれる人気遊漁船。

津馬氏はヒラメについて船長の山根氏にいろいろ教わってきたという。

「今の自分があるのは『SEA★STORY』のみなさんのおかげですね」

津馬氏の絶大なる信頼。

その証拠に、平日ながらヒラメ釣りのお客さん(活アジをエサにした泳がせ釣り)が多く乗船していた。

「この船のヒラメ狙いは基本的にエサ釣りなんです。ルアーは今回僕たちが初めて。なので結果を出したいですね!」

期待に胸膨らませる2人を乗せて船が向かったのは、瀬戸大橋が見える潮通しのいいエリアだった。

津馬氏の船では来ない海域だという。

潮の流れは速いものの、水深はさほど深くなく最深でも20mほど。

移動しながら6〜20mの場所を釣っていくことに。

ボートからのヒラメゲームではジグヘッドとワームを用いたジグヘッドリグを使う。

ボトムでエサを待ち構えるヒラメの頭上を泳がせて食いつかせるのが狙い。

ヒラメの視界に入るようレンジをキープすること、そして見切られないスピードとアクションが攻略のキモだ。

村上氏は速い潮でも底取りしやすいよう、35gの『スイミング根魚玉』『キャラメルシャッド』(バス用)5インチをセットしてキャスト。

ボトムまで沈めてゆっくりリフトさせているとアタリがあったようで、素早いフッキング。

しかし空を斬った。

村上「やってもうた。早アワセはアカんのに〜」

ヒラメはアタリがあってからひと呼吸おいてアワせると掛かりやすいという鉄則を頭ではわかっていてもいきなりのアタリに身体が反応してしまったようだ。

とはいえ、開始早々のアタリ。

これはすぐに次の反応がある! と意気込んだものの、アタリはなく、時間だけが過ぎていく。

エサ釣りのみなさんも厳しいようで、船の後方で釣っていた、エサ釣りの方にシーバスが1匹釣れただけだった。

山根船長も今年のヒラメは少し不調だと教えてくれた。

そのため1カ所で粘らず、テンポよく場所移動してフレッシュな場所で狙わせてくれる。

村上氏、津馬氏ともに潮の速さや水深に合わせてジグヘッドのウエイトを21g、28、35gと使い分ける。

ワームも『キャラメルシャッド』『カタクチワーム』をメインに太陽光の強さも考慮。

さまざまなカラーを投じてみるがアタリが得られないまま昼を回った。

津馬氏のリグ。『スイミング根魚玉』に『キャラメルシャッド』と『カタクチワーム』。カラーは赤金を軸に、パール系、ピンク系を織り交ぜるという。自作のアシストフックでフッキング率の向上を図る
村上氏は研究を目的にさまざまなワームを試していた。『ネコメタル』も投じてみて、可能性を検証

午後になり、津馬氏がガイドしているエリアの近くへとやってきた。

ここは水深や地形などのイメージがつかめている場所だけに期待が高まる。

ボトムからルアーを離しすぎないよう、動きに違和感を生み出さないようコントロールする津馬氏。「経験値の差やね。勉強になりました」と村上氏

その期待に応えるように、13時前に津馬氏がアタリをとらえてヒットに持ち込んだ。

上がってきたのは45cmクラスのヒラメ。

これは『スイミング根魚玉』28gと『カタクチワーム』の#055「うまシロエビ(グロー)」だった。

ワームのカラーはアカキンが軸だが、最近織り交ぜる率が高いのがパール系。これで1匹目を見事引き出した

津馬「着底させてちょっと速めにリトリーブして泳がせたあと、カーブフォールしてまたボトムに着いた瞬間にアタりました」

アタリに慌てずフッキング。

自作のアシストフックがしっかりと掛かっていた。厳しい状況のなか、お見事の1匹である。

この30分後に津馬氏がまたヒット。

やはりボトムスレスレをきれいに泳がせるのがコツのようだ。

これは同サイズのヒラメだった。ヒットしたリグはワームのカラーを変えていて、#28アカキンだった。

2匹目はアカキン。「津馬さんは『ここで食う』という確信しながらルアーを操っているんですよ。僕にはその感覚がまだない。これが経験値やね」

津馬氏のヒットにヒントを得たのか、1時間後に村上氏に待望のヒット!

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津馬氏と並んで釣りをすることで、アクションのピッチやスピード、リズムに確信が少し持てたという。「やっぱそういうときに食ってくれるよね。サイズは運やで(笑)」

これはこの日最大となる、60cmクラスのヒラメだった。

試作アシストフック。「まだまだ工夫すべき点はあるけど、仕上がってきている感じ」

ヒットしたのは『スイミング根魚玉』28gに『カタクチワーム』#024村上シークレットだった。

この日最大のヒラメ。ワンチャンスをモノにした。村上氏は「運」というが、きっちりとした釣りをしていることがヒットを呼び込むのだ

ルアーをボトムからあまり離さないようにしてヒラメの視界にルアーを入れて、見切られないように泳がせて食わせたセオリー通りのヒットだった。

村上「食わせるイメージはあっても、リトリーブのスピードやリフトさせるときのシャープさがつかめないでいた。津馬さんと並んで釣りをしたことでそれが少しつかめました。でも、完璧とはいえない。アシストフックのこともあるし、定期的にヒラメ研究会をやりたいね」

厳しい中でこそ、学べることも多い。今回のヒラメ研究会は実りの多いものとなった。

この日の釣りで使用したのは、『碧ライトゲーム遠投Ⅱ IUS-83L Light Game- EntohⅡ』。新設計のブランクスに村上氏独自のガイドセッティング。「長い竿はルアーアクションのストロークが大きくできるというメリットがある。粘り強い調子もこの釣りには相性がいいと思って選んだ。正解やったね」
この釣行の前日譚ともいえるのがこの動画。釣行1回ごとブラッシュアップするのが村上晴彦だ
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