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ISSEIルアー誕生Episode 君はこの日のために生まれた『ザリバイブ』

〈この記事を音声読み上げで聴く〉

ISSEIのバスフィッシングブランド「Green Crayfish」(以下:G.C.)。

そのブランドロゴはザリガニをモチーフにしたもの。

これはISSEIを立ち上げる際、村上氏自らが描いたものである。

こちらはリニューアルされたG.C.ロゴ

G.C.ルアーは豊富なラインナップが形成されているが、そのなかで象徴的なルアーといえるのが、ロゴと同じザリガニをモチーフにした『G.C.ザリバイブ』(以下:『ザリバイブ』)だろう。

村上氏に話を聞くと、ISSEI立ち上げのかなり前から、ザリガニをモチーフにしたバイブレーションを造る構想があったという。

そんな『ザリバイブ』誕生までのエピソードを紹介しよう。

「頭の中に形は描けていたので、あとはどういう効能を持たせるべきかを思案していました。じっくり取り組みたいけど、当時はISSEI立ち上げの時期だったのでそんなに時間がなかったんです。でも絶対に形にしたいと思っていました」

まずは脳内のイメージを粘土に落とし込んだ。

そこに生まれたのは目の位置が進行方向に対して後部に位置する、まさにザリガニが逃げ惑う姿だった。

粘土で造った『ザリバイブ』の原型。ロゴデザインとも同じである

そこから微調整をくわえて原型ができあがった。

あとはボディサイズ、内蔵するシンカーのウエイトや位置やバランスなど調整してバイブレーションとして仕上げていけばいいのだが、そのままだと単なるザリガニ型バイブレーションになってしまう。

「唯一無二の効能が必要」

村上氏は独自の効能を生み出すために、ボディの大きさ、内蔵するシンカーの重さ、大きさや位置を幾度もテストしたという。

「ザリバイブを造る少し前に西川くん(ISSEIフィールドスタッフ・西川敬介氏)から『ブザービーター』(インスパイアカスタムルアーズ)がよく釣れると勧められたので、使ってみたんですよ。実際に引き抵抗がよくて、よく釣れるバイブレーションだなと。それが悔しくて。なら僕はこれに釣り負けないで、まったく別なものを造ろうと思ったんです」

ひっそり、いや、正面から銘ルアー超えに挑んでいたのである。

だが、『ブザービーター』を意識すると真似になってしまう。そこで村上氏はこう考えていた。

「意識しないよう意識した」

なんとも村上氏らしい表現である。

こうしていくつもの難題を抱えてテストは進んでいったが、予想よりも早くソレは形になった。

「唯一無二の効能をつけることができました」

その効能とは「シミーフォール」(※)。

※)シミーフォール:ユラユラと木の葉が舞い落ちるように左右に揺れながらフォールすること。ザリバイブはラトル内蔵なので揺れによってラトル音も生み出す

独創的なザリバイブの形状に唯一無二の効能「シミーフォール」が合致。

納得のいくルアーを造り出せた瞬間だったと村上氏。

こうしてリリースされたのが『ザリバイブ』なのである。

オリジナルの『ザリバイブ67』と、のちにリリースされた『マイクロザリバイブ40』。このほかにも57jr.や84などバリーション豊富

デザイン、ネーム、そしてルアーとしての特徴に効能。すべてがマッチしたこのルアーは発売からすぐさま大反響を呼び、現在も多くのバサーに愛される逸品となっている。

そして村上氏も『ザリバイブ』にはひときわ特別な想いがある。

それは2015年の冬に、自己記録となる、64cm、5,700gのビッグバスを『ザリバイブ』で釣り上げたからだ。

「もともとはデカいバスを釣るためのルアーとして思い描いていたんですよ」

村上氏いわく、その日はなにかに導かれるように釣りへ出かけた不思議な日だったという。

そして食ってきたのがこのビッグサイズだったのだ。

圧巻のサイズ。『ザリバイブ』で仕留めた村上氏の自己記録

「君は今日の日のために生まれたんだよ」

64cmのビッグバスに掛かった『ザリバイブ』にそう村上氏は語りかけたという。

当時のタックル
ロッド:ダイワ/ハートランド フォールトラップテクニカルシャフト
リール:ダイワ/タトゥーラHLC(6.3:1 仕様)
ライン:ダイワ/モンスターブレイブ 16LB
ルアー:ISSEI/ザリバイブ67(ウチダザリガニ)

『ザリバイブ』の泳ぎ、シミーフォールを水中映像で確認できる
村上氏による『サリバイブ』の使い方解説
赤松氏の釣りにも欠かせないルアーのひとつ
小型の『マイクロザリバイブ』も登場!
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