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師弟誕生のきっかけは「アノひとこと」Vol.03 赤松健 師・村上晴彦との邂逅

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「高校生のころから、村上さんのことは本やビデオで知っていたんですよ。バス釣りについて話をされているのを聞いてみると、それまで見聞きしたバスプロの方たちが言っていることと、明らかに目線が違っていて、自分の考えることに合致することもあれば、それを超えてくることも多かったんです。造り出すルアーも斬新なものが多い。すごい人だな~と思っていました」

中でも衝撃を受けたのは、常吉の『スティックシャッド/フィンテール』と『生ウオデス』という、フィンテールを搭載したルアーの登場だった。

薄いフィンテールのワームがあったらいいなと思ったときには形になっている。衝撃しかなかったと赤松氏

「当時、魚は薄くヒラヒラしたものに反応しやすいという考えがあって、ペラペラのフィンテールのワームがあればなぁ…と思っていたところに村上さんがリリースされたんです。ただただすごいと思いました。僕がそう考えたときにすでに製品ができあがっている。先の先を考えている方なんだなと」

憧れはしたものの、当時は接点などまったくなく、ただただ一方的に見ていただけだったという。

では出会うきっかけとなったことはなんだろうか。

赤松氏は村上氏がプロデューサーを務めるダイワの『ハートランド』だったと振り返る。

「当時、欲しいと思って、お金を貯めて『ハートランド』を1本買ったんですが、高いので買うまでにすごく悩んでいたんです。お世話になっていた釣具店でずっと『ハートランド』を見ていたら、店長さんが『そんなに悩むなら安くしてあげるから買えば』と今思えば利益が出ないくらい値下げしてくれて売ってくれたんです」

『ハートランド』を使うようになって、なぜかバスがよく釣れるようになり、ロクマルも手にできたという。こうなってくると『ハートランド』を使ってバスをよく釣るヤツがいると、釣り場でもその存在が目立つものになっていた。

そんな赤松氏にある人物から声がかけられた。

「当時、ハートランドミーティングという、『ハートランド』を所有しているアングラーを対象にしたイベントが開催されていたんです。その運営をしている方が、イベントへ遊びに来てみないかと誘ってくださったので、参加するようになったんです。村上さんには会えませんでしたが、いろんな人のお話が聞けたので、勉強の場になっていましたね」

イベントへの参加率が高まるにつれ、フィッシングショーOSAKAにもイベントの手伝いに来ないかと誘われ、そこではじめて村上晴彦氏に出会う。

誰しも尖っている時期はあるもの。赤松氏も例外ではなかった。「今思えばなかなかなことをやったなと」(苦笑)

当時の赤松氏は、バス釣りに熱中して釣果も上げていたことで自信に満ち溢れ、いわゆる「尖っていた」状態であった。そのため村上氏へ質問する機会をもらったとき赤松氏は村上氏へこう投げかけた。

「スピナーベイトのフワ釣りってありますよね?」

フワ釣りの提唱者であった村上氏へ、現在の自分の認識や腕前がどの程度のものかを推し量るためにぶつけた質問だったと赤松氏。

「それと、あわよくば村上さんに『コイツなかなかわかってるヤツやな』なんて思われたいという気持ちもありましたね(笑)」 

村上氏は赤松氏の質問に「ああ、あるよ」と即答。

そのときの会話はこれだけだったという。

「村上さんがこのことを覚えてくださっていたのもあったし、それ以外の所も見てくださっていたようで、目をかけてもらって、一緒に釣りに出かけるようになっていきました」

たった一言だが、十分な爪痕が残せていたのだろう。

今思えば、ずいぶん突飛で失礼なことを言ったと赤松氏は苦笑いするが、この一言がなければ2人の関係は違ったものになっていたかもしれない。

続く

フィッシングショーOSAKA2024での一コマ。赤松氏にとって2人でいるときはいつも学びの場なのだ
出会ったきっかけなど、2人のトーク動画
Episode of Ken Akamatsu
1. 第2次バスブームが覚醒の転機 Vol.01 赤松健 擬似餌に目覚める
2. 学校の技術室がマイ工房 その経験が現在に繋がる Vol.02 赤松健 ルアー造りに没頭する
3. 師弟誕生のきっかけは「アノひとこと」Vol.03 赤松健 師・村上晴彦との邂逅
4. 意外! バス釣りから離れた期間が存在 Vol.04 赤松健 海釣りに没頭する
5. 寝るヒマなしのアングラーライフ Vol.05 赤松健 意識を変えたユーザーの声
6. 精進はまだまだ続いていく Vol.06 赤松健 これまでとこれから
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